「自分のような級位者にとってのオアシスだ・・・」全編を通してずっとそんな安らぎを感じながら、この本を読み終えました。

昨年末に Twitter 上で見かけて気になっていた『将棋「初段になれるかな」会議』を、このお正月休みに読んだのでご紹介したいと思います。

本の概要

この本は、ライターの岡部さん(@okataco)、漫画家のさくらはな。さん(@kusattamarimo)という二人の級位者と、指南役として高野秀行六段を混じえた3人の会話形式で進められます。

※なお本書でも触れられてますが、さくらはな。さんは本書製作中に本当の初段へ昇段されたそうです。すごい!

会話形式なので話が頭に入りやすかったり、図面やイラストが豊富に盛り込まれていてすごく見やすいので、一般的な棋書と違ってとても気軽に読める雰囲気が大きな特徴です。

将棋「初段になれるかな」会議

読んだ感想

級位者目線の会話が嬉しい!

まずリアル級位者であるさくらさん、岡部さん目線で進められる会話が、とても安心感があって嬉しいのです。

「いつまでたっても駒をタダで取られてしまう・・・」

「何冊か棋書を読んでみたけどなかなか理解できない・・・」

「棋譜並べをしてみてもあまり頭に入ってこない・・・」

私は将棋ウォーズ1級で絶賛足踏み中の現役級位者ですが、お二人の話はそんな立場の人間から見て共感できる点だらけで、まるで自分もその場の会話に参加しているような気持ちになって読んでしまいました。

高野先生が温かい!

高野先生の解説がとっても温かいんですよね・・・。

級位者が誤解していたり間違えやすい点を、簡易な言葉で丁寧に解説してくれるんですが、どの説明も決して否定するような言い方をされないので、とても前向きに受け止めることができるんです。

また、「まだ盤面全体見られなくても大丈夫」「戦型はひとつ覚えれば十分」「最新戦法は真似なくて良い」など、要所ではこれでいいんだという選択肢を力強く断言してくれるので、勉強の仕方に迷っている背中も押してくれます。

NHKやネット中継の解説で何度かお見かけして、良い人柄の先生だなあと言う印象は持っていましたが、この本でさらにファンになってしまいました(笑)

学びも多い!

読みやすさや温かさだけでなく、もちろん将棋に関する学びも多く得られます。

級位者がつまづくツボを押さえた構成になってるので、本のボリュームがそれほどあるわけではないのに関わらず、大事なポイントをたくさん詰まっているんですよね。

  • 詰将棋の取り組み方(継続する、答えは見てもいい、王側で考えてみる等)
  • 局面によっては「詰み」より「詰めろ」を意識する

といった辺りは、個人的には特に気付きのある内容でしたので、ぜひ今後に活かしたいです。

初段になれるかな会議
裏表紙にも多くの学びが。「級位者には級位者の将棋がある」にジーンときます…。

まとめ

初段への憧れはずっとあるものの、最近将棋ウォーズの成績は上がらないし、将棋を勉強する時間もなかなか取れないし・・・近頃はすっかり遠い存在に感じていたんです。

でも、この本を読んでまたムクムクやる気が湧いてきたのと、自分のペースで楽しみながら目指していけばいいんだと、気持ちをリフレッシュすることができました。

高野先生、岡部さん、さくらさん、とても楽しい本をありがとうございます!

易しすぎず難しすぎず、棋力向上に悩める級位者にはぜひオススメしたい一冊でした。

あ、これから本書を買われる方に一つだけ助言として、書店では将棋コーナーでなく新書コーナーに並んでいるので、お探しの際はお気を付けくださいね(笑)