以前、こちらの記事でこれから将棋を始める子ども向けの超入門本を紹介したことがありました。
そんな将棋を覚えたてレベルの子どもたちがレベルアップするため、次に読む本としておすすめなのが「羽生善治のみるみる強くなる将棋 序盤の指し方 入門」です。
この本は将棋の序盤についての解説書ですが、一つ一つの手や駒の形についてなぜそれが良いのか悪いのかを丁寧に説明してくれることが特徴です。何気ない指し手にもみんな意味があることを学ぶことで、次の段階の囲いや戦法といった定跡をより理解する下準備として役立ちます。
例えば「第1章 初形を見よう」では、将棋で初手に指すことが可能な30通りの手のうち26通りについて、それぞれの良い点悪い点をしっかり解説してくれます。7六歩や2六歩が良いと教えてくれる本は多いですが、初手から1八香や9八香を指すのはあまり価値がないとか、5八金左は悪手だとかまで丁寧に説明してくれる本は珍しいんじゃないでしょうか。
そのように、詳しい方から見れば当たり前の話でも、初心者から見たらなんでそうなるの?という基本がたくさん詰まっています。
自分も今までずっと自己流でいい加減に将棋を指してきましたが、この本を読んでからは一手一手に対する目的意識が高まったように思います。以前なら、序盤の駒組み段階である囲いを決めたらその形までただ一直線に進めていただけだったのに、駒にヒモを付けながら組むことを意識したり、相手の動きによって動かす駒の順番を考えたりと、できるだけ意味を考えながら指す機会が増えました。
初心者のみならず、ある程度の経験者の方でも役立つ将棋の考え方を改めて学ぶのに、とても良い一冊だと思います。