10月12日に開かれた「電王戦タッグマッチ2014 FinalRound」の観覧に運良く当選したので、知人と一緒に観に行ってきました。

実は、以前下記のような記事を書いたように、個人的にはタッグマッチ形式ってあまり惹かれなかったんですが・・・実際に観てみたらエンターテイメントとして十分に楽しめました。食わず嫌いは良くないですねw(ただし新棋戦として立ち上げるのなら、やっぱり記事内に書いたようなもっと真剣勝負度合いの強い方式がいいと思うのは変わらない。)

というわけで、以下会場の模様をレポートします。

電王戦タッグマッチ2014 FinalRound

会場はいつものニコファーレ。入る直前のワクワク感がいいですよね。

電王戦タッグマッチ

こちら会場内の様子。前回電王戦を見に来たときよりもサイバー感あふれる雰囲気に満たされていました。

20141018_denousen02

この日の解説陣は深浦康市九段、佐藤天彦七段。二人ともとてもわかりやすい解説で、ヘボの自分でも十分に楽しませてもらいました。左は聞き手の藤田綾女流初段、ニコ生で見るままにかわいらしい方でしたね。

電王戦タッグマッチ

今回のイベント用の秘密兵器ヘッドマウントディスプレイを装着している天彦七段。候補手が表示される映像が、すぐ目の前に見えるように映し出されるのだそうな。これはスゴイ。

電王戦タッグマッチ

ちなみに使われていたヘッドマウントディスプレイは、こちらの inforod というデバイスのようです。

中央の近未来的なでかいセットは実は対局場となっていて、その上で行われた決勝トーナメントの第1局を戦う西尾明六段(ponanza)と久保利明九段(習甦)の様子。周りが気にならないのかなあと心配になるほど、ほんとすぐ後ろで対局してました。

将棋は千日手模様の均衡した展開でしたが、いつの間にか西尾六段側が優位を築き、そのまま逃げ切り。久保九段もいつ悪い手を指したかよく分からない的な感想を語ってましたが、コンピュータ将棋の地力が伺える将棋だったんではないでしょうか?第3回電王戦の菅井五段 vs 習甦を思い出してしまいました。

電王戦タッグマッチ

第1局と第2局の合間には、ponanza 製作者山本さんのゲストトークも。「どうやってソフトを強くするんですか?」「自分でも分からない!」といったやり取りが印象的。

電王戦タッグマッチ

第2局の戦いを終えた森下卓九段(ツツカナ)と佐藤慎一四段(ponanza ver.2013)。つくづく感想戦って瞬時に盤面を再現したり、読み筋をスラスラ並べたりとプロ棋士のもの凄さを実感させられる時間だなぁと思います。将棋を知らない方も機会があったらぜひ見て欲しいです。

この日の森下九段は、感想戦のテンションがかなり高め(いつも?)で、見ていてなぜか微笑ましい気持ちにw 先日NHK杯の解説に出たとき、自分のテーマを「淡々」から「情熱」に変えたと発言していましたが、そういう前向きさが伝わるような場面ですごく好感が持てました。

電王戦タッグマッチ

そして決勝戦を戦ったのは西尾六段と森下九段。将棋は中盤から飛車角が激しく飛び交うすごい展開に。ponanza の対局はいつもあっと驚く手が飛び出すんですねえ。優勝にふさわしいインパクトのある将棋でした。

電王戦タッグマッチ

大熱戦を制した西尾六段・ponanza コンビが見事優勝となりました。「いきたがる ponanza を必死になだめました」というコメントがあったように、コンピュータ将棋に精通する西尾六段の手綱さばきが見事だったようです。

電王戦タッグマッチ

朝10時頃から始まって表彰式が終わったのが19時半過ぎ。パイプ椅子が固くて痛かったり、異常に冷房が効いて寒かったりと、長時間の観戦は身体的にはなかなかハードでしたが、それ以上に時間を忘れさせるほどとても楽しかったです。

来春の電王戦 Final もまた行けるといいな〜。

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この記事を書いた人

ko31

電王戦をきっかけに20年ぶり以上に将棋熱が再燃した、観たり指したりするのが好きなヘボ将棋ファン。
群馬在住繋がりで藤井九段の本で振り飛車勉強中ですが、根っからの三日坊主につき&頭の回転が悪くなかなか棋力が向上しません。将棋ウォーズによく出没しています。
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