大晦日に行われた「電王戦リベンジマッチ 森下卓九段 vs ツツカナ」。すっかり時間が経ってしまいましたが、せっかく良いものを見せて頂いたので感想を残しておきます。
概要
リベンジマッチの内容については下記辺りのサイトを参考にされるとよく分かるかと思います。
開催概要
観戦記
雑感
将棋の内容については何の解説もできないので、観る将目線での雑感など。
プロ棋士もまだまだコンピュータ将棋に勝てる
対局は「差し掛け」という結果(続きが行われることは無い気がしますが・・・)で一旦幕を閉じましたが、最終局面での評価値は森下九段に大きく振れ、大方の識者の見解も森下九段優勢という、内容的には限りなく勝ちに近い一局となりました。
最近ではもう強いコンピュータ将棋相手に人間が勝つのは相当困難!という見解を持っていましたが、この対局を見る限り、一局を通じて間違いのない着手を続けることさえできれば、まだコンピュータ相手でも十分にプロ棋士は勝てるという可能性を感じました。(言うは易しですが。)
近日開かれる電王戦FINALに出場する棋士たちにとっても、勇気を与える内容だったのではないでしょうか。
継ぎ盤ルールが面白い
森下九段の提案により、継ぎ盤の使用、1手につき10分の秒読みといった特殊ルールが採用され、そのことに対しては色々と賛否があったわけですが、結局のところ大成功だったのではないかと思います。
特に継ぎ盤ルールについては、検討する様子が映されることで対局者の頭の中が見える化されることにとてもワクワクしたり、またコンピュータ〜対局者〜解説者と普段以上に多角的な読みや解説を聞くことができたりと、将棋ファンからするととても楽しい試みでした。ぜひ、また何かの機会に見てみたいです。
森下九段が素晴らしい!
今回の対局が実現したのも、こんな面白いイベントになったのも、チャレンジしてくれた森下九段あってこそ。
もし電王戦に続いて連敗していたら・・・と考えると、始めはリベンジマッチに挑むこと自体に相当なプレッシャーがあったことと思いますが、継ぎ盤で検討しながらのサービス精神旺盛な解説(およびぼやき)、ツツカナ相手に堂々と立ちまわった将棋の内容、大晦日の朝から元旦の早朝までに渡る長期戦を戦い抜いたエネルギー、どこを取ってもさすがプロ棋士と唸らされる素晴らしい対局でした。
まとめ
エキシビジョンではあっても、やっぱり人間対コンピュータの真剣な勝負は見ていて熱くなりますね。今回のリベンジマッチとても面白かったです。しかし、つくづく次回の電王戦がFINALとは惜しいなぁ・・・。