さて明日は安倍政権の評価を問う衆院選の投票日ですね。有権者のみなさん、もう投票先はお決まりでしょうか?
さて、選挙に関連してこんなツイートを先日見かけました。
プロ棋士の比例代表 【居飛車党】 ① 加藤一二三 ② 渡辺明 ③ 郷田真隆 【振り飛車党】 ① 藤井猛 ② 久保利明 ③ 鈴木大介 【オールラウン党】 ① 羽生善治 ② 谷川浩司 ③ 森内俊之 【佐党】 ① 康光 ② 天彦 ③ 紳哉 ④ 秀司 ⑤ 和俊 ⑥ 慎一 ⑦ 義則
— ゆーてん (@melting___point) 2014, 12月 3
これはいずれもなかなか魅力的な候補者揃いで、無党派層の票の行方もまったく読めなさそうな・・・。
ところで自分は近頃もっぱら振り飛車党の支持者でして、将棋ウォーズのプロフィールもこんな感じで落ち着いています。
今年の3月に将棋ウォーズを始めた頃は棒銀一辺倒の将棋だったのに、気が付けば振り飛車が好きでそればかり使うようになっていました。
では、なんで自分は振り飛車が気に入っているんでしょうか?あらためて自分なりにその理由を考えてみました。
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かっこいい
あくまで主観的なものですが、素人目に序盤から飛車を動かしていく振り飛車の積極的な姿勢が、見ていてかっこよく感じるという理由があります。
そのまま飛車先の歩を付けばすぐ攻めて行けるのに、わざわざ一手を費やして意図的に変化を生み出していく戦法なわけで、効率性だけでは説明できない何か人の感情がこもった作戦に思えてしまうんですね。
それと「振り飛車らしいさばき」という表現をよくされますが、自分なりに色々な駒が活用できて、盤上に躍動感を出せてるなーというときの感覚がとっても気持ちいいです。(「さばき」の感覚など良く理解もせずに言ってますがw)
余談ですが、自分はそもそも振り飛車についてそんな印象を勝手に持っていたので、後に実は振り飛車は基本的に受けの戦法なのだというのを知ったときは軽い衝撃がありました。(まあとはいえ一口に振り飛車といっても攻撃的、守備的、さらに色々なバリエーションがあるわけですが。)
美濃囲いが簡単、便利、美しい
振り飛車の代表的な囲いといえば何と言っても美濃囲いですね。
形が分かりやすく囲うまでの手数も少ないので初心者でもすぐ覚えられる敷居の低さ、その上で守りの堅さと組み上がった形の美しさも兼ね備えたバランスの良さを持っていて、ものすごく使い勝手の良い囲いです。自分もいつもお世話になっています。
また、ゆっくりした展開になったときは高美濃囲い、銀冠と囲いを発展させていけるので、囲いを組んでるだけでも面白かったりするんですよね。
ちなみに、美濃囲いで気を付けなければいけない有名な弱点としてコビン攻めがあります。自分も恥ずかしながら未だによく喰らってしまい「あっ!」と言葉を失うケースもしばしば。みなさんもお気を付けください・・・。
上図になってしまったときの棋譜もご参考までに。
バリエーションが色々ある
先にも触れたように、振り飛車といっても戦型やそのタイプに色々なバリエーションを持っています。
例えば有名どころで言うと、守備型な性格のノーマル四間飛車や振り飛車穴熊、攻撃的なら藤井システム、ゴキゲン中飛車、角交換振り飛車など。
自分の場合、少し前まではノーマル四間飛車、最近は角交換振り飛車をよく練習しているのですが、前者だとじっくりした展開、後者であれば一触即発という感じで、戦型によって展開が全く変わってくるんですよね。面白いものです。
居飛車の方が優位らしい
いまやプロ棋士と同等以上の強さを持つに至ったコンピュータ将棋の世界では、居飛車の方が振り飛車より優位という見解があるようです。
例えばこのツイート。下記に出てくる竹内さんとは、電王戦にも何度か出場しているコンピュータ将棋ソフト「習甦」の開発者のことです。
【竹内さんに聞いてみた】Q.振り飛車はあまりよくない戦法というのが、コンピュータ将棋開発者の共通認識だそうですが。 A.数字に表れています(勝率がよくない)。横歩取りの後手番も厳しいです。
— 将棋パイナップル2.0 (@shogi_pineapple) 2014, 3月 23
こちらは、正体はプロ棋士では?と噂され、圧倒的な棋力を感じさせる発言で有名な @itumon さんのツイートより。
ある筋から聞いた情報では、コンピュータ将棋は、 ・コンピュータ同士では先手がかなり有利と思っている ・コンピュータ同士では振り飛車は勝ちにくい戦法だと思っている という感じだそうですので、それが将棋の本質に近いのか、実に興味深い
— itumon (@itumon) 2014, 11月 2
科学的な世界での発言となるとずいぶん信憑性がある話ではありますが、、、だからといって不利と言われている方を逆に応援したくなるのが人情というものですよね!
藤井九段の存在
振り飛車党の代表的なプロ棋士の一人に藤井猛九段の存在があります。
藤井九段の代表的な特徴をいくつかピックアップしてみただけでも、
- 振り飛車党
- 藤井システム、角交換四間飛車などを生み出した独創的な序盤戦術家
- 序盤の緻密さに反して時折見せる終盤のポカから付いたあだ名が「終盤のファンタジスタ」
- ボソボソとセンスの効いたトークをしてくれる解説が面白い
- 「藤井てんてー」というニックネームでもネット上でも愛されている
- そして群馬出身!
と、どこから見ても魅力満載な一流人気棋士で、自分も好きなプロ棋士の一人です。
本人公認のこんなファンサイトもあるようですね。ファン愛に満ちてていいですねえ。
そんな藤井九段は振り飛車党必見の定跡書も何冊か出しており、自分もそのうち「四間飛車を指しこなす本」「角交換四間飛車を指しこなす本」を隙間時間に眺めては振り飛車を勉強させてもらっています。
どちらも一問一答方式で楽しみながら定跡を覚えていける良書でして、自分の棋力ではなかなか正解は当たらないんですが、実戦的な考え方が分かりやすく解説されていてとてもお勧めできる本ですよ。
ちなみに始めのツイートにも出てましたが、藤井九段を含めた久保利明九段、鈴木大介九段という振り飛車使いの3人を称して「振り飛車御三家」と呼ばれています。これはテストに出るので要チェックです!
まとめ
というわけで、自分が振り飛車が好きな理由をざくっと考えてみました。この記事を読んで少しでも振り飛車を指してみようかな・・・と気になった方がいると嬉しいですw
というわけで、明日12月14日(日)は衆議院選挙の投票日です。みなさんちゃんと投票に行きましょうね!