昔、子どもの頃に見た「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」で、岩手高校と龍澤高校がアイスホッケーでライバル対決を繰り広げるという人気コーナーがありました。私、岩手県出身ながら、実は「岩手高校」と聞くといまだそのイメージしか持っていませんでした。
そんな岩手高校、実は全国高校将棋選手権大会で7年連続表彰台に上がったり、3年連続日本一に輝いたりした実績を持つ、高校将棋界では全国トップクラスの強豪校なんだそうな!いやいや、この本を読むまで全然知りませんでしたよ・・・。
本の感想
さて、始め自分は次の二つの疑問点を持っていました。
- 決して偏差値も高くはない岩手高校がなぜ将棋でそれほど強いの?
- 将棋という個人ゲームにおいてチーム力って関係あるの?
この本では、何も無かったとこから将棋部を立ち上げて全国の強豪校に育てていくまでの成長の歴史が、部の顧問である藤原隆史先生によって綴られていくわけですが、そこで出てくる藤原先生独特の指導論、勝負哲学に触れることによって、その疑問点は解消されていきます。
日々技術と心を磨き、仲間と切磋琢磨しながら信頼関係を築き、大会に臨んでは日程調整から移動手段や宿の手配といった環境面にしっかり備える一方でベタな験担ぎも大事にする。
これでもかというほどに、成績を上げるための下地が日々積み上げられているんですよね。
その全ては藤原先生という指導者の考えが、行動力を伴って実践されてきた結果であって、それはまるで甲子園を目指すための高校野球と同じもの。
指導者の力量ってつくづく大きいなあと感じました。
ちなみに、この岩手高校将棋部をモデルにした「将棋ボーイズ」という青春小説も出ているんだそうです。すごい活躍ぶりですねー。