観る将の界隈では「高見泰地五段と増田康宏四段がそっくりだ」という話題をたまに見かけます。

二人とも若手ながら対局に解説にと活躍している棋士なので、見る機会が増えた今でこそそんなこともなくなりましたが、かくいう自分も以前はよく混乱していたものです・・・。

毎日新聞にこんな記事も掲載されたほどなので、きっと世間一般的に見てもよく似てるレベルの二人なんでしょうね。

高見と増田は「ひょっとして兄弟?」と思わせるほど顔のイメージが似ているが、どちらかと言えば高見が猫顔、増田が犬顔に近いだろうか。
将棋:第76期名人戦順位戦 増田康宏四段-高見泰地五段 第2譜 – 毎日新聞

さてそんなお二人ですが、漠然とではなくはたして本当に顔が似てると言えるのか?白黒はっきりつけるため、AI の力を借りて検証してみることにしました。

Face APIについて

今回検証に使った AI は、MicroSoft が提供しているこちらの Face API。ざっくり言うと、写真から顔を検出したり解析したりすることができる便利なプログラムです。

Face API のページに、2つの顔が同一人物のものである確率を検証するという今回にうってつけのデモが用意されているので、これを使って検証してみることにします。

例えば、次のように同一人物の違う写真を比較すると「同一人物か別人か?」の判定と、その信頼度を数値化して結果を表示してくれるんです。

Face API

上の例だと、0.7349 という信頼度で同一人物だと判定されたことが分かります。

ちなみに全く同じ写真だと信頼度が 1 になるので、この場合は約73%の確率で同一人物と判定されたと考えれば良さそうです。

次のように一見似ていそうな写真でも、Face API の目にかかればこのように別人との判定がくだされます。すごいですね。

Face API

高見泰地五段と増田康宏四段の検証結果

お待たせしました。それでは、高見五段と増田四段を検証してみることにしましょう!

使用する写真は、日本将棋連盟 Web サイトの棋士データベースからお借りしたこちらの2枚。

高見泰地五段
増田康宏四段

どちらかと言うとこの2枚の写真だとあまり似てない気がして、大きな期待はせずに解析をかけてみたのですが・・・

高見泰地五段と増田康宏四段

なんと、見事に同一人物との判定が!

写真素材の不安もものともせず(笑)、AI の目から見ても高見五段と増田四段は確かに似ているという結果になりました。

あの双子棋士を検証してみた結果

ちなみにこの検証をしながらもう一つ気になったのが、将棋界唯一の双子棋士である畠山成幸八段と畠山鎮七段のお二人。

ではこの二人を比べたら一体どうなるんでしょうか?

先ほどと同様に棋士データベースからこちら2枚の写真をお借りして検証してみましょう。

畠山鎮七段
畠山成幸八段

さて、注目の解析結果は・・・

畠山成幸八段と畠山鎮七段

またまた同一人物判定が出ました!

しかもその信頼度は 0.75262 と、デモで使われていた同一人物写真よりも高い数値が。さすが双子といったところでしょうか(笑)

他の棋士はどうか?

ここまで検証した以外に、

  • 羽生善治竜王と俳優の東出昌大(映画「聖の青春」で似てると評判になった)
  • 渡辺明棋王と『魔太郎がくる!!』のキャラクター魔太郎(本人も似ていると認めているとのこと)
  • 豊島将之八段と『3月のライオン』の主人公・桐山零(豊島八段がモデルとの噂がある)

といった比較も実は気になって試してみたんですが、東出さんのいい素材がなかったり(顔に手を添えてる写真が多い)、そもそも漫画の絵は使えなかったりしてうまく検証できませんでした。残念・・・。

おわりに

今回調べてみたことで、何となくじゃなく高見泰地五段と増田康宏四段が科学的(あくまで Face API のロジックですが)にも似ていると証明されて、何だかスッキリした気がします。

Face API のデモページはアクセスすれば誰でも使える簡単なものなので、気になった方はぜひ試してみると面白いですよー。

この記事を書いた人

ko31

電王戦をきっかけに20年ぶり以上に将棋熱が再燃した、観たり指したりするのが好きなヘボ将棋ファン。
群馬在住繋がりで藤井九段の本で振り飛車勉強中ですが、根っからの三日坊主につき&頭の回転が悪くなかなか棋力が向上しません。将棋ウォーズによく出没しています。
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