将棋の電王戦FINAL第3局 稲葉陽七段 vs やねうら王の対局は、116手でやねうら王の勝利。コンピュータ将棋チームが1勝目を挙げ、対戦成績を1勝2敗としました。
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- 電王戦 第三局の感想 | やねうら王 公式サイト
対局の感想
この対局の評価値を担当したコンピュータ将棋ソフト YSS が差し示していたように、駒がぶつかり合う中盤以降はやねうら王が一方的にペースを握る展開となり、見ているこちらもつらいほど稲葉七段にとっては苦しい将棋になってしまいました。
「楽に勝ちたいという心のスキができてしまったのかなと思います。」(稲葉七段)というコメントもありましたが、練習対局では稲葉七段が優勢になる変化をいくつも用意していたこと、本番と同じ時間設定の練習でも5割弱勝っていたこと等、事前に積んできた準備が本番では十分に発揮できなかったようです。
稲葉七段側のわずかなチャンスとして、玉を追い回される展開となってから入玉に持ちこむという可能性も出ていましたが、駒が足りないとの判断で入玉を目指すのは断念したようです。
ただ、その戦況を見守っていた山本さん(ponanza 開発者)、平岡さん(Apery 開発者)らは、その頃 Twitter 上で下記のような見解をコメント。結果論にはなってしまいますが、あの展開から普通に逆転することはかなり厳しい状況だったので、入玉にかけるという選択肢も見てみたかった気はします。
稲葉七段はいかにコンピュータと戦っているということにファーカスできるかがポイントです。 プライドもなくただただ入玉するのが絶対にいいと思います。
— 山本 一成@Ponanza (@issei_y) 2015, 3月 28
@qqbuck12y 一目散に入玉目指せば、おそらくやねうら王はその後も駒損のミスばかりするので勝てると思うのですが、稲葉さんなかなか入玉されないですね。。
— 平岡 拓也 (@HiraokaTakuya) 2015, 3月 28
プロ棋士側にとっては残念な結果に終わってしまいましたが、稲葉七段が事前に明かしていた飛車の捕獲作戦、電王手さんとのタイムラグによるやねうら王の指し手変化など、電王戦ならではの背景も詰まった面白い一局でした。
稲葉七段、やねうら王開発者の磯崎さんお疲れ様でした!
第4局 村山慈明七段 vs ponanza
さて、次の電王戦FINAL第4局は4月4日(土) 村山慈明七段 vs ponanza の対局となります。対局会場は第1局に続く世界遺産の薬師寺!
コンピュータ将棋最強ソフトの一つ ponanza とは相当厳しい戦いが予想されますが、それだけに村山七段の戦いぶりに注目です!